丸ポストという名物

　土地が平坦で変化がなく、訪問客にもいささか地味なベッドタウンという印象が残りがちであろう我が小平にあって、所々に登場して、ひと際、懐かしい雰囲気を放っているのが「丸ポスト」である。

　何でも、市内に３０数箇所は残っていて、その数や全国で１，２位を争うくらいとか。何故、小平市内にこんなに残っているのか、はっきりした理由がわからないというのがまた良い。勝手にいろいろと想像できちゃったりするわけだし。

　そこに着目したＮＨＫのとある番組のスタッフさんが、丸ポスト（ＮＨＫ的には「丸形ポスト」と言うらしい。）を取り上げようと考えて、何故か「歌う公務員」などとネットに出てくる“Big市川”も出しちゃおうと考えてくれたようで…。

　もの好きな話だなぁと思いつつも、拙作「二人をつなぐ丸ポスト」をちょっと歌ってみて、などと言われ、とっても有難いわけで、たまにはこういう良いこともあるのだな。

　この曲は、丸ポストにラブレターを投じようと興奮している男性が歌われていて、まあ、今時、ラブレターなんてものは存在しないのかもしれないのだが、だからこそ、歌いたくなるのである。元々は、曲のサビまでゴチャゴチャと沢山の歌詞があったのだが、ギターの坂元昭二師匠が「丸ポーで押したらいいんじゃない」と一言。バッサリと言葉をカットして、老いも若きも大合唱、わかりやすいこの曲のメロディが完成したのである。

　ともあれ、街並みにそっと佇む丸ポスト。こういうもののお蔭で、街への愛着もゆっくりと増えてくのである。

（Big 市川）